引き続き、CLANNADアニメ版第11話「放課後の狂想曲」の話題です。
ことみが朋也に本を読み聞かせているうちに、朋也が見た夢のシーン。尾崎翠「第七官界彷徨」から来ています。
以下、「尾崎翠 ちくま日本文学全集」に準拠して比較しています。
ことみ「漫才師養成学校に合格するために、バイオリンの練習をしているの」
主人公(小野町子)の従兄、佐田三五郎が音楽学校に合格するためにピアノで音程練習をしていることから。
ことみ「♪だんごの花咲けばー、私はうれしいー」
p130、小野二助(町子の兄)「♪こけのはなさけば、おれはうれしい、うれしいおれは」
渚「パンを煮ているんです。今晩からだんごたちが、恋を始めるんです」
小野二助は肥料の研究をしており、肥やしを煮て蘚(コケ)に掛け、蘚が恋愛を始めるのを観察している。
椋「占いの結果、岡崎さんは分裂心理と診断されました」
椋「そんな見方こそが、分裂心理というものです」
p135、小野一助(町子の兄、分裂心理病院の医者)「みろ、そんな見方こそ分裂心理というものだ。」
杏「パンを煮る香気は、実に人間の心理を不健康にするものなのよ」
杏「それもまったく、パンを煮る香気のせいでね」
p213、柳浩六(小野一助の同僚)「漢方薬の香気はじつに人間の心理を不健康にするからね。」
柳浩六「それもまったく、漢方薬の香気のためだよ。」
原作ではアニメ版と比べて『日本の作家が書いた本で、読むと楽しい気持ちになって、私のお気に入りの本』という指定でことみが探し出した本であることや、冒頭をことみが読み上げる描写、杏の台詞に「早くうまいものを買ってこないか」等がありましたが、大筋は同じです。
「第七官界彷徨」自体を友人に貸し出しているので、ちょっと前のメモを元に書いているのですが、後日確認の上、加筆修正します…