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復興という言葉の空しさ / 2005-01-17 (月)


 1995年1月17日午前五時四十六分、阪神大震災。あれから10年が経ちました。

 私が当時住んでいた神戸市垂水区は人的被害こそ少なかったのですが、一部損壊まで含めると殆どの家屋が罹災証明を貰ったように記憶しています。我が家も一部損壊でした。最初の何週間かは水道が出ず、近くの中学校へ水を汲みに行ったり、ガスの復旧も1ヶ月近くかかり、垂水駅前の銭湯に文庫本を持って並びました。
 しかし何より鮮烈に残っている記憶は、当初の激しい縦揺れと、夜明け前の薄明かりの中唯一の情報源であるラジオから聞こえてきた長田区のガス爆発音、そして東の六甲山地の向こう側が不気味に紅く、黒煙が上がっていたことでしょう。

 今では中心市街こそ小綺麗になりましたが、長田などを歩くと幹線道路に面していない所は更地が未だに目につきます。震災前の人口を上回ったといっても、相当数の住民が入れ替わったとのことで、市外へ転出したまま戻れない方も多いようです。
 一度災害が起きれば失われた人命や財産は回復しないのですから、復興したという区切りの言葉を万人に納得がいくように使うことが出来る日は来ないのでしょう。